アイスランドの旅:自然と冒険の記憶 アイスケイブ編

Travel Abroad

アイスランドのクライマックスです。アイスケイブ。
ここまでのレイキャビクからの2日間のドライブ。ガイドが運転するバスの中から、アイスランドの景色を見ていると、それはやはりスポンジケーキの上に、粉砂糖がかかっているというような優しいものではなくて、圧倒的にそこに主人として横たわる氷河を避けて、険しい山をさけて、人間が通ることを許された限られた道を、遠回りしながら、ヴァトナヨークトル氷河に近づいていく道でした。実際に地図で見てみると、このアイスランドという大きな島の中を貫通するような大きな道はほとんどなく、海外線をそって、ヴァトナヨークトル氷河に近づいていくことしかできません。

(↑)これだけでは分かりませんが、タイヤが人間の背丈くらいあります。
(↑)生きてきた中で一番揺れました。モンゴルに行った時もトヨタのランクルは酷く揺れましたが、それの比ではないです。皆で揺られてお辞儀を繰り返しながらの20−30分ほどのドライブです。

氷河の近くまではガイドのバンでは辿り着けません。最寄りのベースでバンを降りて、自分の身長ほどある大きなタイヤを備えた重厚車に乗りかえて、氷河の入り口に接近します。この巨大な戦車のような車両に乗り換えることで、なにか未知の世界へ踏み込みにきたことが実感されました。そしてこの巨大トラックでも氷河の入り口までは行きつけないので、最後は30分ほどトレッキングして接近します。歩く道は平坦ですが、いくつもの小川を渡るので、それなりの装備が必要です。

戦車のような車両に大きく揺られて、いくつかの川を渡って、ついに視界が割れてヴァトナヨークトル氷河が見えていきます。最初にそれを見た時の印象はまるで巨大な宇宙船のようでした。

(↑)この穴の中がアイスケイブです。外から見ると真っ暗です。

徒歩で迂回しながら近づいていきます。幻想的な気分になります。地球に隠された秘密を見つけにいくような気分になっていました。何かを見ることにここまで、精神が研ぎ澄まれていくのはいつぶりでしょうか。

(↑)アイスケイブに入る前の氷壁の色は不気味に黒くなっている。
(↑)ガイドから「手酌を使わないで、水を飲めば世界で一番綺麗な水を飲める」と言われて試しました。もちろん水は冷たく、美味しいです。

ついにアイスケイブの中に入り込みました。外から見ると真っ暗ですが、中に入ると驚くほど光に溢れています。そして氷の部分部分によって、また見る角度によって、驚くほど色が変わってきます。

(↑)アイスケイブの入り口 
(↑)洞窟の中はところどころ上に穴が空いていて、青い空との対比がこれまた美しいです。快晴の天候にに心から感謝しました。

洞窟の中では光が散乱していました。場所によっては白く、場所によっては青く透き通って、上に下に、右に左に光が行き渡る。氷壁の表面は有機物を思わせるように滑らかです。その滑らかさは、それが透き通ってさえいなければ、まるで人体の中に入ったかのようにも思えるほどです。

私は地球の秘密を見つけに来たような気分で、この氷の洞窟に入りました。そして確かにここで秘密を手にしました。それは自分に対する発見でもありました。

私は、家族を幸せにすることで、人の役に立つことで、社会から認められることで、または自分が成長することで、生きている実感をつなぎとめているのだと思ってきました。それもあります。でも半面です。私が求めてきた最も純粋なものは「知ること」でした。私が学生時代から周ってきた36カ国。ただただ、知りたいだけで、そこには目的も意味もない、それ以上に説明はできず、分解も不可能なものが、やはりここにあるような気がします。

アイスランドには、お気をつけて行ってください。私は危険を感じて、自分で車を借りて現地に赴くということはしませんでした。そして実際に、ガイドに指示されながらクレパスの横を抜けている時に、まさにその日に、落ちて亡くなってしまった人をソリで運んでいる救助隊に出会いました。アイスランドには多くの有能なガイドがいます。自分の冒険心に蓋を閉じて、ガイドの力を借りるべきです。それにヴァトナヨークトル氷河の中に入り込んで行くまでにも、アイスランドには立ち寄るべき多くのポイントがあります。この地の自然を堪能するためにも彼らのサポートは強力です。