白壁の街 ギリシャ サントリーニ島の巻(その1:フィロステファニー編)

ギリシャ

この島には、ただひたすらに美しい青い海を求めて、足を運びました。

これを書いているのはもう23年も終わりの12月、このサントリーニ島を最初に訪れたのは21年の10月なので2年も前のことです。旅行に行ったら思う存分楽しんで、それで綺麗サッパリ終わりっというのでも十分な気もしていたのですが、気づいてみればこの島だけでもその後に2回も来ていて、それだけでなく、他の島、例えばザギントス 島にも行き、もちろん首都のアテネにも行き、ギリシャだけで4回。そして欧州の他の国も本能のままに行きたいところに行ったら、いつの間にか結構な量になりました。気負わずにゆっくりと海外旅行の記憶を思い出していますが、手帳を見ると、この2年の間に16カ国を訪問しています。2−3回行っている国も結構あって、回数でいうと27回、英国(私、今はロンドンに住んでいます)から出国したことになります。

こういう人は海外には結構ザラにいるんですけど、一巡してみて、何をどう思ったかをここに書いておくのもアリだなと思って、2年ぶりにここに戻ってきています。

散々、お金と時間を使って分かったのは、実際に行って何か見たり、食べたり、経験をすると、自分の方に何か跳ね返ってくることもあれば、何もないこともあります。たぶん、自分の方に何もないとあっちからも何も返ってこないんでしょう。例えば、この島も最高のロケーションの海を持っていますが、地中海もアドリア海もエーゲ海もティオニア海もイオニア海も、言ってみれば、本当に綺麗な青い海というだけですから。

といっても、自分の方にあるのはそんな大層なものでもなくて、上の海の例で言えば、たまたま私の場合、昔見た映画「グラン・ブルー」の海というが頭にあって、ジャック・マイヨールとエンゾが魅惑されて命まで捧げた海はこういう色だったのか、というようなそんな程度の話です。でもそういう細い糸が、無造作にほろほろと積み重なっていくっていうのが、その人にとっての本当の経験なような感じがしないでもないです。

さて、このブログは2年間ぶりに再開し、英国生活編から海外旅行編に移るのですが、それはこのサントリーニ島から始まることになります。ここには先ほど書いた本当に青い海がありました。

私はようやくコロナ明けで旅ができるようになった21年に本当に開放感に溢れんばかりの気持ちで初めてこの小さな空港、サントリーニ(Tira)の空港に降り立ちました。季節は10月でした。ここは冬にというよりは夏や初秋にくるところで、私の場合、春、夏、初秋の季節に1回づつ来ていますが、混雑の具合とちょうど良い気温の観点で初秋が一番おすすめできます。10月の最初の週であれば泳ぐこともできます。

このサントリーニ(Tira)の空港は、サントリーニ島の南北真ん中のちょうど良いところに位置していますが、一方で島の東側にあるので、いわゆる白い家とブルードームで有名なTiraやOiaの街の西側に行くには、バスなり、Uberなりを使っていくことになります。

その最も有名な、この島の中心になるTiraの街は、島の西部、ちょうど島の横腹にあたる崖になっているところに、白い家が立ち並んでできています。街は崖の上に立っているので、Uberのドライバーの車に揺られて20分ほどの道のりを勢いよく登って行きます。街に近づくとそこでは風が気持ち良く流れているはずです。TiraやOiaの街の白い家は建てられたというよりは崖をくり抜いて洞窟にしたような作りなので、断崖沿いに登っていく風が建物に邪魔されずに通り抜けて行きます。

サントリーニ島には、このTiraと北側にあるOiaの中間にフィロステファニーという街があります。TiraやOiaには多くの雑貨屋、お土産店、レストランが並んでいますし、コンビニ的なものも近くにあるので便利と言えば便利です。一方で、フィロステファニーというところは少し離れているので静かな区画になります。私は3回も来ているので、Tira、Oia、フィロステファニーのすべての場所に泊まりましたが、ご飯を食べに行く際に、歩くのが苦でなければ、このフィロステファニーの場所は非常に良い選択であるように思います。歩くといっても道沿いに綺麗な青い海が構えているわけですし絶景の散歩道です。

私たちも、最初に訪れた時にはこのフィロステファニーにあるアグナデマホテルというホテルに泊まりました。10月第1週でハイシーズンを抜けたばかりであったのか、確か1泊100ユーロにも満たない部屋でしたが、部屋も広く、何より前面にネア・カメニ島を抱え込んだ海が果てしなく広がっていて大変気に入りました。

初日は、外の景色に引き込まれて、ホテルのバルコニーで何時間ものんびりしてました。そしてここのサンセットを見て、何もかも満たされたような気持ちになり、寝た記憶があります。(その2に続く)